KPIツリーとは?EC事業ではじめに知っておきたい使い方

KPIツリーとは?EC事業ではじめに知っておきたい使い方

「売上を伸ばしたい」と思っていても、何から手をつければ良いか分からない——EC事業ではよくある悩みです。そんなときに役立つのが「KPIツリー」という考え方です。この記事では、KPIツリーの基本と、EC事業での使い方をやさしく解説します。

KPIツリーとは

KPIツリーとは、最終的な目標(多くの場合は「売上」)を、それを構成する要素へと分解し、ツリー(樹形図)状に整理したものです。売上のような大きな数字は、それ単体を見ていても「なぜ増えたのか/減ったのか」が分かりにくいものです。そこで、売上を細かい要素に分解することで、どこに課題があるのか、どこを伸ばせば全体の数字が改善するのかを見つけやすくします。

EC事業におけるKPIツリーの例

EC事業の場合、売上は基本的に次のような式で分解できます。

売上 = 客数 × 客単価

ここからさらに、客数は「セッション数(サイトへの訪問数)」と「CVR(購入率)」に、客単価は「購入点数」と「平均商品単価」に分解できます。図にすると、次のようなツリー構造になります。

[ここに diagram_kpi_tree.png を挿入]

このように分解すると、「売上が落ちている」という漠然とした課題が、「セッション数は変わっていないのにCVRが下がっている」「客単価は維持できているが、そもそもの訪問数が減っている」というように、具体的などこに手を打つべきかという話に変わります。

使い方のポイント

1. まず現状の数字を要素ごとに把握する

売上だけでなく、セッション数・CVR・客単価(購入点数×平均商品単価)を、それぞれ月次や週次で把握できる状態を作ります。GA4やShopifyの管理画面である程度確認できますが、どこで何を見れば良いか分からない場合は、まずこの4〜5個の数字だけを定点観測することから始めるのがおすすめです。

2. どこが動いたか(動いていないか)を確認する

売上が変動したとき、客数側の要因か、客単価側の要因かをまず切り分けます。そこからさらに、セッション数の問題なのか、CVRの問題なのかを見ていくことで、打ち手の方向性が絞られていきます。

3. 打ち手をツリーの末端に紐づける

「広告を強化する」という打ち手は、主にセッション数(=集客)に効く施策です。「商品ページの写真や説明文を改善する」はCVRに、「まとめ買い割引を用意する」は購入点数に効く施策、というように、施策とツリーの各要素を結びつけて考えると、「なぜこの施策をやるのか」が整理しやすくなります。

まとめ

KPIツリーは、特別なツールがなくても、紙とペン、あるいはExcelやスプレッドシート一枚で始められる考え方です。売上という大きな数字に振り回されず、「どこに課題があるのか」を要素分解して捉える習慣をつけることが、EC運営の第一歩になります。

次回は、このKPIツリーをベースにした「予算の立て方」について解説します。